税金

インボイス登録をe-taxで行う方法【後編】

2023-09-15

この記事が役に立つ人

  • 小規模法人で、e-taxを使ったことがある
  • 窓口申請ではなく、少しずつでも電子申請をしていきたい
  • やってみようと思うけどイマイチ分からない

という経営者、経理担当者向けです。

前編を読んでいない方はこちらをタップ

※前編ではインボイス制度とは、窓口申請VS電子申請、実際の電子申請の途中までが書いてあります

e-taxで電子申請はしないけどインボイス制度自体がよく分からない方は、目次で実際の手続き画面の紹介以外を読んでいただければ多少でも勉強になると思います。

実際の電子申請の流れ【続き】

2023年10月1日は日曜日です。
弊社としてはサバゲーの開催があり売上高が発生する確率が高いです。

この日から課税事業者になれば10月1日の売上高から3期目の「課税売上高」に含まれると思います。

特に早急にインボイスを発行しなければならないということがないのですが、10月中旬とか中途半端な日にちから開始してもいいんですかね?

まぁ経理も面倒になるかもしれないので、大人しく10月1日からにします。

他の方のYouTubeで見た記憶がありますが、事情は「業務が煩雑だったため申請できなかった」とかで良いと言っていました。

多分そういった内容を書けばいいのでしょうが、私はこういう時に急に真面目になるので素直に書きます

多少インボイス制度や消費税に詳しい方だとこう思ったのではないでしょうか

「本当にインボイス制度始まりますよね??」

というのも、ニュースや新聞、YouTube配信などでも

「公取委が動いた」

とか

「反対署名がたくさん集まった」

とか

「インボイス制度に登録する必要ナシ!?」

とかの見出しで書かれた記事やサムネイル画像。

もうね、どっちでもいいですから…やるならやるで。色々なことを含めて厄介だな、と感じています。

正直に言いますと、事業をやるならもう少しでいいので法律や税制は知っておいた方がいいと思います。

なんですか「納税管理人」って…

海外でのみ事業を行う事業者ですか。ちょっとピンとこないですね…

まぁほとんどが納税管理人を定めなくて良さそうですね。

なんでしょうね、参考として記載すべき事項って😂

希望しなかったら郵送されるんでしょうか?

送られてくるのも面倒なので、希望するにチェックを入れます。

人格のない社団等、というのは任意団体とか自治会とかお祭りの有志団体、みたいな感じですね。

そういえばああいった団体もちゃんと申告、納税義務があるんですよね。ほんとにちゃんとやるんですかね?

この画面から登録申請書の内容確認、印刷ができるようです。

おぉー、できました。

さぁそして、この登録申請書を作成しただけで終わりではありません

ここからその書類をe-taxを使って送ることになるのですが、その際に必要なのが「電子署名」です。

行政のシステムで電子申請をする際、この電子署名が必要になります。

電子署名とはなんぞや?というのはお答えするのが非常に難しいです…

私が一番しっくりきた分かりやすい説明は

「この申請を行ったのは間違いなく私です。はい、これが印鑑証明と実印です。」

ほんとにあなたが申請しているの?という確認のために必要ということです。
(印鑑証明書と実印は例えです。)

私がここで引っかかってしまったミスの内容

私は、とりあえず申請書だけ先に作っておいて、また後日代表のマイナンバーカードで電子署名を付与しよう。と思っていたんですね。

で、作成画面の途中で「保存」というタブがあったのを覚えていたので、保存しておけばまた途中からできるだろう、と考えていました。

ところが…

なんと、インボイス登録申請書を作っただけでは「電子申請手続きの途中は保存されない」みたいです。

そして、入力している内容を保存しておくためには上記画面の時に保存をしておかないといけなかったようです。

セーブはこまめに、ってやつですね…

後日マイナンバーカードで電子署名をしようとした時に「XMLファイルをアップロードしてください」という謎の文章に

「はい?」

となってしまいました…皆様、保存の際はご注意ください。

泣く泣く私は最初から入力をし直しました…

しかも最初に作成した申請書と相違があったら、また何かエラーでも出るんじゃないかと思い、一言一句最初の申請書と違わないように入力。

いらぬ手間でしたね~。

ここで公的個人認証サービス(マイナンバーカード)を選択します。

で、前編でもお伝えしたのですがこのマイナンバーカードは

「代表権を持った代表者」

のカードと暗証番号が必要です。私は一期目の決算申告を自分で電子申請したのですが、税務署から

代表権を持った代表者のマイナンバーカードで申請してください。

と差し戻しを食らいました…

マイナンバーカードの読み取りと、署名用電子証明書暗証番号を入力すると、簡単に電子署名が付与できます。

弊社ではカードリーダーを使用しています。

iPhone8以降でOSもアップデートしていれば、iPhoneでも読み取り可能なはずです。

しかし私は弊社設立時の電子定款作成時の電子署名の際、iPhoneでの読み取りが全然上手く行かなかったので、カードリーダーを購入して読み取りをしました。

カードリーダーを持っていなくてiPhoneでもできそうだわ、という方はやってみても良いかもしれません。

無事に電子署名が完了しました。

送信完了!

送信データの不備、送りなおし…

登録されている電子証明書と違う…?

あっ、決算申告の時に誰のマイナンバーカードでやりましたか~😅

ということで

TOP画面に戻り、利用者情報の登録・確認・変更に進んでください。

情報変更画面の下部に電子証明書の登録・更新タブがありますので、そこから電子証明書の更新を行ってください。

今何をしようとしているか、再度弊社の例でいきますと

  1. e-taxで登録していた電子証明書が取締役の加瀬のマイナンバーカードだった
  2. インボイス登録の電子申請に使用した電子証明書は代表のマイナンバーカードだった
  3. 元々登録されている電子証明書(マイナンバーカード)が違いますよ、とシステムから不備連絡があった
  4. 電子証明書(マイナンバーカード)の情報を加瀬から代表のものに更新する

という流れです。更新にも新たに登録する代表のマイナンバーカードと暗証番号が必要なのでご注意ください。

今度こそ、無事に登録完了!

いや~疲れました😅

インボイス登録番号の通知はいつ?

ちなみにこの記事を書いているのが9/15です。
e-taxだとすぐに登録通知が来るのかな?と思っていたら1か月くらいかかるらしいですよ😑

ちなみに紙申請だと2か月😅

※国税庁のHPから引用

法人であれば法人番号がインボイス登録番号になるので問題なさそうですが、個人事業主はどうなるんでしょうか…

税務署に確認してみました!すると

  1. 一旦インボイス登録番号なしで請求書、領収書を発行
  2. インボイス登録番号が判明してから先方に伝えて追記してもらう
  3. 電子で請求書、領収書を発行していた場合は、インボイス登録番号を記載して再発行する

とのことでした。

インボイスとそうでない業者、請求書の再発行、期中で仕入税額控除率が違う…

私が今現在考える、インボイスでこりゃ面倒なことになるぞっていうことを列挙します。

  1. 個人事業主から発行された請求書類に、登録は済んでいるがインボイス登録番号が載っていない
  2. インボイス登録番号が個人事業主に通知されてから、発行した取引先に再度通知、場合によっては再発行
  3. 受け取る業者の方は、インボイス登録された取引先か、途中で登録されているか、後から番号だけ通知されるか把握が必要
  4. 取引先によって仕入税額控除率が100%なのか、経過措置の80%適用なのか把握する必要がある
  5. 取引先が期中にインボイス登録をしたら、同じ業者でも仕入税額控除率が異なる請求書が発生する

まだ挙げられるかもしれません。

私はこの懸念を少し前にインボイス問い合わせセンターに確認をしたことがありますが、やはり発生する可能性がありそうです。

しかも対応するためには使用している会計ソフトが、期中で仕入税額控除率が自動的に変わってくれるのならいいのですが…
多分まだされていないと思います。
※弊社はfreee会計使っていますが、自分で把握して分けておくしかありませんでした

仕入税額控除率の経過措置がある間は、注意しておかないと消費税納税額の計算を誤りそうですよね。

まぁこういうことも含めて税理士さんに丸投げってなるかもしれませんが、このインボイス制度についてはやはり少しでも知識を持っておかれた方がいいと思いますけどね…

これからもっと問題や課題が増えて(消費税だけではなく)、中途半端に法改正があると何が何やら分からなくなると思います。

その時に上手く事業で立ち回るためには、最低限の法律(特に税制)知識はあった方がいいと思います。

電子申請時の注意点とスムーズに終わらせるために

さて長くなりましたが、何とか弊社は無事に?インボイス登録を電子申請で行うことができました。

インボイス登録をe-taxで電子申請するために必要なものを再度まとめます。

  1. 代表者のマイナンバーカード
  2. マイナンバーカードの署名用電子証明書暗証番号
  3. カードリーダー(スマホで代用可)
  4. 利用者識別番号とパスワード
  5. 法人番号(個人事業主は不要)

注意点と、私が失敗したこと

  1. 長くログインしておらず、利用者登録をしたつもりでしていなかった
  2. 登録申請書を作成すれば、勝手に保存され途中から手続き再開ができると思った
  3. 電子証明書の情報を更新していなかった
  4. できればもっと早く申請しておけば良かった

といったところです。

私はこのインボイス登録をe-taxで行うという件に関して、かなり特定された条件の下でしかご案内はできないと思いますが、もし何か分からないことがあればお問い合わせください。

DX進化の中での電子申請の未来

私は性格上、できそうなことは構造を知るためにできるだけ実践をしています。

同じタイミングで小規模事業者持続化補助金の申請もJグランツ(電子申請)で行いました。

こういったシステム的なことに詳しいわけではないですが、もっと疎い方からするとサッパリ訳が分からないと思います。

これからインボイス制度だけではなく、電子帳簿保存法の改正も猶予なしで行われていくでしょう。

そうなった時にあくまで紙の良さが一切なくなるわけではない、ということは分かるのですがいつまで経っても電子化に対して文句しか言わず、何もアップデートしない方も多いと思います。

正直インボイス制度自体が良いか悪いかというより、対応や変化ができない人が本当に多いんだな、という印象です。

何にしても文句しか言わない人が増えている気がしませんか?

そんなことを言っている暇があれば、勉強の一つでもされるといいのになと感じることが多いです。

教えてくれる人に頼る!

そういう訳で、経営や事業に関わることのコンサルティングをしてます。

確かに事業を運営し、経営をしていくということは並大抵のことではありません。

やることから学ぶことから幅が広すぎます。

もちろん勢いや気合いも必要なものの上位ですが、起業すればビジネスが勝手に上手くいくわけではありません

中々何から調べたり、学んだりしていいか手が付けられない方は一度ご相談ください。

この記事を書いている加瀬の自己紹介はコチラ

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