この記事が役に立つ人
- 小規模法人で、e-taxを使ったことがある
- 窓口申請ではなく、少しずつでも電子申請をしていきたい
- やってみようと思うけどイマイチ分からない
という経営者、経理担当者向けです。
e-taxで電子申請はしないけどインボイス制度自体がよく分からない方は、目次で実際の手続き画面の紹介以外を読んでいただければ多少でも勉強になると思います。
前提条件として弊社の状態
株式会社CLIP
- 2021年10月法人設立
- 2021年度(第一期)売上高と雑収入(事業性あり)で1,000万円を僅かに超える
- e-taxで第一期の決算申告経験あり
- 税理士なし、バックオフィス業務は全て内製化
- 代表取締役、取締役(私のこと)、正社員1名、パート従業員1名の計4名(2023.09.15時点)の小規模法人
2023.10.1ついにインボイス制度開始
そもそもインボイス制度自体が分からない、という人の方が多いと思います。
インボイスとは適格請求書のことです。
あまり細かいこと言い出すと終わりませんので、私自身が思うポイントをお伝えします。
- 請求書や領収書にインボイス登録番号を載せましょう
- 登録番号が載っていない請求書や領収書だと、受け取った事業者の仕入税額控除に制限がかかる
- 免税事業者がインボイス登録番号を載せようとすると、課税事業者になる必要がある
超ざっくりですし、これだけで説明できるような制度ではありません。
インボイスという言葉がひとり歩きしているように感じますが、まず消費税のことから理解しないとインボイス制度の全貌は見えません。
毎期の売上高が1,000万円を下回る免税事業者の方は、消費税の申告自体をしたことがないので更になじみがないと思います。
インボイス制度が始まって免税事業者の方が発行した請求書や領収書でも、数年は仕入税額控除が80%可能ですよ!
課税事業者になっても簡易課税制度も選択できるかもしれませんよ!
と言われても???
という方も多いと思います…
これは免税事業者の方だけではなく、毎期課税事業者であっても経理や経営にしっかりと携わっていないと難しいのではないかと思いますね。
インボイス制度自体も色々と問題があるなと正直思いますが、そもそも消費税自体の仕組みが複雑だなと感じます。
弊社はたまたま2023年10月1日から課税事業者になります。
つまりあれこれ考えるまでもなくインボイス登録をする、という選択です。
決算申告も電子申請をしたこと、同時進行している補助金申請も電子申請をしたので、今回のインボイス登録を電子申請でやってみます。
後編では実務的に面倒になるかも?という点についても書いてありますので是非最後までお読みください!
窓口申請VS電子申請
結論から言います
「電子申請自体に慣れていなければ、提出自体は書類を税務署に持って行った方が早そう」
です。
税務署に行ったり書類を郵送したりしなくて済むのが電子申請のメリットです。
しかし電子申請自体に慣れていない、必要なものが分からないと逆に時間がかかりそうです。
後編に出てきますが、一刻も早くインボイス登録番号を発行・通知してもらいたい!
という個人事業主はやった方がいいですかね?
じゃあなんで株式会社CLIPは電子申請したの?ということですが、私がとにかく何でも試しにやってみる、というスタンスだからです😅
DXや書類の電子化が進む中、とにかく何でもやってみておかないと後で法改正が行われてから対応しようと思うと大変じゃないですか?
実際弊社はかなりDX化を進めていますが、やはり書類が減ると管理が楽になります。
正直このご時世、紙で送る必要がないものを未だに郵送されるとあまり良い気分にはなりません😑
取引も電子化が進んでいますか、ひとつずつでも対応をしていかないと取り残されてしまいますよ…
と経営コンサルティングの立場からアドバイスをしています。
e-tax電子申請の際に必要なもの
それではe-taxでのインボイス登録電子申請に必要なもの、これを準備しておくと良いものをお伝えします。
- 代表者のマイナンバーカード
- マイナンバーカードの署名用電子証明書暗証番号
- カードリーダー(スマホも可、今回はやり方は載せていません)
- 利用者識別番号とパスワード
- 法人番号(個人事業主は不要)
です。しかしこれはとりあえずe-taxが使える前提での話しです。
そもそもe-taxすら使ったことがない、という方はダウンロードからなのでこちら(タップで国税庁のページへ)から始めてください。
久しぶりにe-taxを使う、という方はログインに利用者識別番号とパスワードが必要ですので、思い出してください。
あと電子署名ですが、その際に代表者のマイナンバーカード、もしくは法人の電子証明書が必要です。
ひとり社長や家族経営でマイナンバーカードの情報を見られても問題ない、という方はいいのですが、そうでなければ代表者がマイナンバーカードの署名用電子証明書暗証番号を入力する必要があります。
もちろん超信頼を置いている経理担当者さんがいるなら、代表者のマイナンバーカードを渡し、暗証番号を伝えてもいいのでしょうが…
これについては私からは何とも言えませんので、ご判断ください。
やはりマイナンバーカードを渡したくない、自分で入力もしたくない!という代表者の場合は今後のために法人の電子証明書を取得しておくといいと思います。
法務省のホームページに手続き方法が載っています(タップでページへ)
実際の電子申請画面の流れ
国税庁のホームページへ
e-taxをクリック
WEB版を選択。私は基本的にパソコンを使いますのでWEB版ですね。
※SP版については知識がありませんので、ご了承ください
ログインを選択
ここでもマイナンバーカードでログインが可能みたいですが、確か面倒でしたので毎回利用者識別番号を使用しています。
ログインできましたが、申告・申請・納税のタブが選択できません。
どうやら利用者情報の登録が必要みたいです。
以前にしたことがなかったのか…?
疑問に思いますが、記憶にないのでしょう。
利用者情報が正しく登録されると、申告・申請・納税のタブが押せるようになります。
この「現在はインボイス制度の申請・届出のみ作成可能です」という意味が分かりません…
どうやらどこのサイトを経由したかで違うのかも?と思っています。
次回以降、国税局のHPを経由しなかった場合は上記のメッセージは出なかったです。
なんのことですか?と思うかもしれませんが、とりあえずOKを押せば大丈夫です。
本来課税事業者になるためには「課税事業者選択届出書」を提出する必要がありますが、インボイス登録を行った場合は提出不要だそうです。
申請書を提出する時点なので、あくまでインボイス登録をする前の話しです。
※元々課税事業者の方は「いいえ」を選択します。
こういう確認って難しく感じますよね。
登録を受けることで課税事業者となり、消費税の申告を行うことが必要になります。
→これ、次の事業年度で免税事業者の方への確認だと思います。
本来は免税事業者だから消費税の申告(および納税)は不要なのに、インボイスを発行するためには課税事業者にならなくてはいけません。
消費税の申告は原則として登録日(令和5年10月1日以降の日)を含む課税期間分から必要になります。なお、課税期間とは、原則、事業年度のことをいいます。
→弊社はたまたま10月1日が期首なので、なんの問題もありませんでした。
ただ期中でインボイス登録をした事業者(個人事業主は12月31日で締めますよね)も、そこからの会計は消費税の申告を行わないといけないという意味だと思います。ややこしい。
登録を受けると、例えば基準期間の課税売上高が1000万円以下となった場合でも、登録を取消すための届出書を提出しなければ、免税事業者になることはありません。
→基準期間の課税売上高が1000万円を下回れば、2期後は免税事業者に「なれる」のですが、「自動的にはならない」ので注意が必要です。罠ですよね。